免疫チェックポイント阻害薬の登場により,悪性黒色腫の治療は劇的に変わった.がん免疫療法に対する疑問符が長い間付けられていたが,この疑問符は完全に払拭され,今や免疫チェックポイント阻害薬はさまざまな癌腫に対して用いられている.しかしながら,臨床の現場,ことに日本においては,免疫チェックポイント阻害薬の効果は臨床試験で得られたものより低く,また副作用として免疫関連有害事象を適切に管理しなければならない.さらに高額な薬剤費という側面からも大きな問題となっている.免疫チェックポイント阻害薬単剤による治療の限界が次第に見えてきたこともあり,今後はさまざまな薬剤との併用が模索される一方,アジュバントとしての開発も着実に進行している.
「KEY WORDS」ニボルマブ,ペムブロリズマブ,イピリムマブ,免疫関連有害事象,PD-1,CTLA-4
「KEY WORDS」ニボルマブ,ペムブロリズマブ,イピリムマブ,免疫関連有害事象,PD-1,CTLA-4