接触皮膚炎の成立過程は,大きく感作相と惹起相に分けられる.感作相では,皮膚所属リンパ節にて抗原特異的T細胞の分化・増殖が誘導される.惹起相では,皮膚において抗原特異的T細胞の活性化が誘導され,抗原曝露後48時間前後をピークとする紅斑,水疱,浮腫などの皮膚炎症が惹起される.この一連の反応は,さまざまな皮膚免疫反応の基本形が凝縮されており,その理解は皮膚免疫を理解するうえできわめて重要である.本稿では,マウスモデルから明らかとなった接触皮膚炎の発症機序について概説する.
「KEY WORDS」接触皮膚炎,接触過敏反応,Tc1細胞,樹状細胞,制御性T細胞