Point!「アトピー性皮膚炎の重要な発症因子であるフィラグリン遺伝子変異の有無は尋常性魚鱗癬や掌紋増強の有無から推測できる.」
皆さんはアトピー性皮膚炎患者の診察の際に,手掌の観察を行っているだろうか.もし行っていないとしたら,早速,今日の診療から行うことを強くお勧めする.それほど,palmar hyperlinearity(掌紋増強)の有無は重要である.それでは,なぜ重要なのであろうか.それは,フィラグリン遺伝子変異の有無の鋭敏な指標となるからである.アトピー性皮膚炎で認められる皮膚バリア障害の遺伝的要因で最も代表的なものが,フィラグリン遺伝子変異により発症する尋常性魚鱗癬である.尋常性魚鱗癬では,四肢伸側や腰部を中心としたドライスキンと落屑(図1),掌蹠の皮膚紋理の増強(図2)を認め,角層バリア機能が低下している.ここに外界から慢性的に抗原刺激が加わると,種々の抗原に対して感作が成立し,アトピー疾患(皮膚炎,鼻炎,喘息)を発症する.
皆さんはアトピー性皮膚炎患者の診察の際に,手掌の観察を行っているだろうか.もし行っていないとしたら,早速,今日の診療から行うことを強くお勧めする.それほど,palmar hyperlinearity(掌紋増強)の有無は重要である.それでは,なぜ重要なのであろうか.それは,フィラグリン遺伝子変異の有無の鋭敏な指標となるからである.アトピー性皮膚炎で認められる皮膚バリア障害の遺伝的要因で最も代表的なものが,フィラグリン遺伝子変異により発症する尋常性魚鱗癬である.尋常性魚鱗癬では,四肢伸側や腰部を中心としたドライスキンと落屑(図1),掌蹠の皮膚紋理の増強(図2)を認め,角層バリア機能が低下している.ここに外界から慢性的に抗原刺激が加わると,種々の抗原に対して感作が成立し,アトピー疾患(皮膚炎,鼻炎,喘息)を発症する.