特集 真菌とアレルギー
Th17とカンジダ感染症~乾癬との関係は?~
Th17 cells, candidiasis, and psoriasis
皮膚アレルギーフロンティア Vol.14 No.1, 27-31, 2016
「Summary」ナイーブT細胞がTh17細胞へ分化し増殖する際に,抗原提示細胞が産生するIL-23などさまざまなサイトカインが関与する.Th17細胞はIL-17など多様なサイトカインを産生することにより,乾癬や関節リウマチなどの自己免疫疾患の発病,および細菌や真菌に対する感染防御に大きく関与する.Th17細胞に関連するさまざまな遺伝子異常(サイトカイン,受容体,転写因子など)がカンジダ症を引き起こすことが報告されている.乾癬に著効するIL-17阻害薬でカンジダ症を発症することもあるので,投与時は要注意である.また,乾癬に伴いカンジダの保菌率が増える傾向にあるが,カンジダと乾癬の関係については未解明なところが多い.
「はじめに」抗原の結合などにより活性化した抗原提示細胞はIL-23,IL-6,IL-1βなどのサイトカインを産生する1).これによりナイーブT細胞のSTAT3が活性化して,Th17細胞へ分化する.
「KEY WORDS」Th17細胞,カンジダ,セクキヌマブ,イクセキズマブ,ブロダルマブ
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