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特集 アレルギーと性差

内因性アトピー性皮膚炎の性差

Gender differences in "intrinsic" atopic dermatitis

野老翔雲井川健

皮膚アレルギーフロンティア Vol.13 No.3, 21-24, 2015

「Summary」アトピー性皮膚炎(AD)は,遺伝,環境因子などを背景に,瘙痒を伴う湿疹病変をくり返す不均質な疾患であり,病因・病態はいまだ不明な点が多い.近年,ADを,血清IgE抗体値が低く,特異的IgE抗体が陰性の内因性ADと,血清IgE抗体値が高い外因性ADの病型に分類する試みがなされている.臨床症状のみでの病型の鑑別は困難な場合が多く,外因性ADが全体の約80%,内因性ADが残りの約20%を占めるとされている.内因性ADが独立した疾患であるかについては議論があるが,内因性ADの特徴としては,①女性に多い,②発症年齢が遅い,③重症度が低い,④金属アレルギーの合併が多い,⑤フィラグリン(FLG)遺伝子変異が少ない,⑥Th1型の反応優位,などが報告されている.内因性ADが女性に多い理由としては,装飾品や化粧品に含まれる金属の経皮感作や性ホルモンの影響が考えられる.
「KEY WORDS」内因性アトピー性皮膚炎,IgE,金属アレルギー,女性優位,フィラグリン遺伝子変異

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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