<< 一覧に戻る

スキルアップのためのQ&A

Q DLSTの読み方について教えてください

塩原哲夫

皮膚アレルギーフロンティア Vol.13 No.1, 51, 2015

「A」薬剤添加リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test;DLST)は薬剤アレルギーの試験管内検査法の代表的なものである.原因薬剤に感作されたT細胞が,in vitroで抗原を認識し特異的に増殖するのをDNA合成の増加を指標としてみる方法で,欧米ではlymphocyte transformation test(LTT)と呼ばれる.その際には,末梢血リンパ球(PBL)に含まれる単球が,抗原提示細胞(antigen-presenting cell)として作用すると考えられている.培養は通常4~5日間行われ,最後の16~24時間3H-チミジンを加え,それが活性化されたT細胞に取り込まれるのをシンチレーションカウンターで測定する.この際,薬剤を加えた場合の増殖活性(cpm)と加えない場合のcpmの割合をstimulation index(SI)として表すが,わが国ではそれに100をかけて%で表示しているのに対し,欧米ではそのまま比で表すことが多い.わが国では180%以上を,欧米では2~3以上を陽性としている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る