特集 メタボリックシンドロームとアレルギー
Topics 2.脂肪萎縮症,黒色表皮腫に対するレプチン補充療法
Leptin-replacement therapy on acanthosis nigricans in lipodystrophy
皮膚アレルギーフロンティア Vol.13 No.1, 29-31, 2015
「Summary」黒色表皮腫は,肥満症や脂肪萎縮症に合併が多く認められ,その病因としてインスリン抵抗性の関与が想定されている.近年,脂肪萎縮症で認められる代謝異常の改善薬として,レプチン補充療法が日本で初めて薬事承認された.本稿では,レプチン補充療法が脂肪萎縮症で認められる代謝異常の改善だけではなく,合併する黒色表皮種を著明に改善したことを報告する.これにより,黒色表皮腫の病態にインスリン抵抗性が強く関与すること,また,脂肪萎縮症で認められる黒色表皮腫に対してレプチン補充療法が有効な治療になる可能性が示された.
「はじめに」黒色表皮腫は肥満症患者で多く認められ,身体所見から判断できるインスリン抵抗性の指標のひとつと考えられている1).本稿では,脂肪萎縮症で認められる黒色表皮腫と,最近薬事承認されたレプチン補充療法の治療効果について概説する.
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