【特集 汗とアレルギー】
アトピー性皮膚炎と汗抗原
Atopic dermatitis and sweat antigen
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.12 No.2 41-45,
2014
著者名
平郡隆明
/
平郡真記子
/
秀 道広
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
/
小児科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
[Summary] 汗はアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の悪化因子である. 以前から, ヒト汗中にはAD患者好塩基球に対してIgE依存性にヒスタミン遊離を惹起する抗原があることは知られていたが, 物質としては不明であった. 最近われわれは, 汗中のヒスタミン遊離活性物質として, Malassezia globosaの産生する蛋白であるMGL_1304を同定した. 大腸菌で作製した組換えMGL_1304はAD患者末梢血好塩基球からヒスタミン遊離を起こし, MGL_1304特異的血清IgE値はADとコリン性蕁麻疹患者で健常人より有意に高かった. さらに, MGL_1304特異的血清IgE値はADの重症度と相関し, ADの病態形成への関与が考えられた. [はじめに] 汗をかくことで掻痒や皮疹の悪化を訴えるアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)患者は多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。