【特集 すべては経皮感作から始まる】
経皮感作による小麦アレルギー
Wheat allergy caused by percutaneous sensitization
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.11 No.3 17-20,
2013
著者名
森田栄伸
/
千貫祐子
/
松尾裕彰
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
/
小児科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
「Summary」加水分解コムギ含有石鹸による小麦アレルギーは国内全域で発症しており, 日本アレルギー学会特別委員会へは2,000名近くの症例が登録されている. 島根県下の症例から推計すると, 最大4,000名の患者が発症したと推察される. 石鹸の購入者が約400万人であることから, 約1,000人に1人が発症した計算になる. 加水分解コムギ含有石鹸を使用するあいだに経皮的に加水分解コムギに感作され, 経口摂取した小麦蛋白質が交差反応してアレルギーを発症したと考えられる. 経皮感作には加水分解コムギの分子量1万以上の大きな小麦水解物が関与しており, 小麦γ-グリアジンに交差反応して発症したと思われる. 「はじめに」ここ数年に, 国内では加水分解コムギを添加した石鹸を使用して加水分解コムギに感作され, 小麦製品を摂取して即時型アレルギー症状を呈した患者が多発した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。