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【特集 すべては経皮感作から始まる】
特集にあたって

掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア Vol.11 No.3 5, 2013
著者名
塩原哲夫
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫 / 皮膚疾患
診療科目
アレルギー科 / 皮膚科 / 小児科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア

10年前まで, 経口免疫についてよく理解している人でさえ, ある種の食物アレルギーが経皮感作により起こるという考えはもっていなかったはずである. 筆者が何より驚くのは, このようなパラダイムシフトがあっという間に世界を席巻し, 食物制限に傾いていたはずの小児科医が経皮感作の重要性に目覚めたばかりか, 経口免疫療法まで行うようになってしまったという点なのである. "変わり身が早い"というのは, 通常あまり良い意味では使われないが, この小児科医の変わり身の早さは, 良い意味でわれわれ皮膚科医も見習うべきかもしれない. かつて, 小児科医と皮膚科医のあいだでアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の治療に関して, かたや食物制限, かたやスキンケアと論争した過去は, 遠い昔の夢物語となった. 今や, アトピーのリスクのある乳児にスキンケアをすることで, 食物を含むアレルゲン感作が減るのではないかとの試みを行っているのは小児科医なのである. それはまるで, "すべては経皮感作から始まる"と言わんばかりである. しかし話はそれほど単純ではない. 皮膚のバリア機能の障害が, 食物を含むアレルゲンの経皮感作をもたらすというストーリーは確かに魅力的だが, 茶のしずく石鹸による小麦感作は必ずしも通常の小麦感作と同じではない. フィラグリン異常が即バリア機能の異常, ADの発症へと結びつくわけでもない. パラダイムシフトは人々の考え方を劇的に変えはしたが, これですべてが変わったわけではないのである. 今求められているのは, 経皮感作により生じてくるアレルギーと経口感作の場合とでは何処が違うのか, 経口免疫療法は果たしてどのような症状の人に有効なのか, などといった根本的な問いに冷静に答えていくことである. 本特集号には, このようなパラダイムシフトを冷静に検証した論文の数々が集められている. これを読んで, 経皮感作の研究が今ここまで来ていることを知っていただきたいと思う.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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