アレルギーをめぐるトレンド
              
 ~ここが知りたい~IgEの不思議
                  掲載誌
                
 
                  皮膚アレルギーフロンティア
                  Vol.11 No.1 46-48,
                  
                    2013
                  
 
                    著者名
                  
  
                          川上敏明
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                          川上裕子
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          呼吸器
                        / 
                          アレルギー・免疫
                        / 
                          耳鼻科疾患
                        / 
                          皮膚疾患
                        / 
                          眼疾患
                        
                    診療科目
                  
  
                          呼吸器内科
                        / 
                          アレルギー科
                        / 
                          皮膚科
                        / 
                          眼科
                        / 
                          耳鼻咽喉科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      皮膚アレルギーフロンティア
                    
 イムノグロブリンE(Immunoglobulin E;IgE)は, 1966年に石坂公成・照子夫妻によって発見された, 即時型アレルギーを惹起する抗体分子である. アレルギー反応を誘発する細胞としてマスト細胞・好塩基球が同定され, これらの細胞表面には高親和性受容体FcεRIが発現されていて, FcεRIに結合したIgEに多価の抗原(=アレルゲン)が結合することで, 複数のFcεRIが会合する. この結果, マスト細胞(または好塩基球)は活性化され, 脱顆粒・ロイコトリエンやプロスタグランディンの産生・放出, さらには各種サイトカイン・キモカインが産生・分泌される. 分泌顆粒から放出されるヒスタミン・セロトニンは血管透過性を亢進させ急性反応(1時間以内)を引き起こし, TNFやIL-33などのサイトカインは後期反応(2~24時間)を誘発する. さて, IgEの生物学的意義は何か?シグナル伝達が中心の当研究室(図1~3)だが, 2001年にマウス骨髄由来マスト細胞をIgEと培養するだけで細胞の生存が亢進することを報告している.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。