【特集 蕁麻疹~この10年を振り返る~】
蕁麻疹にステロイドの適応はあるか?
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.11 No.1 23-28,
2013
著者名
片山一朗
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
「要約」蕁麻疹は日常ありふれた皮膚疾患であり, 治療も比較的画一的に行われることが多いが, 近年新たな病因, 病態が次々に明らかにされてきており, より病態に応じた治療を行うことが可能になってきている. そのなかで内服ステロイドの蕁麻疹への使用法が欧米とわが国でのガイドラインでやや異なる. またわが国では外用ステロイドや抗ヒスタミン薬・ステロイド合剤が日常診療で使用されてきたが, その臨床効果や長期の使用の是非が論議されている. 本稿ではステロイド薬の蕁麻疹への奏効機序も含め, その適応, 効果, 使用法につき私見を述べる. 「1. 蕁麻疹の病型とその原因」蕁麻疹は皮膚のかゆみを主体とする疾患であり, 比較的短時間に消退する膨疹が全身にみられる. マスト細胞が病態形成に重要な役割を果たしており, ヒスタミン, ロイコトリエンなどのケミカルメディエーターや, 腫瘍壊死因子(TNF), エオタキシンなどのサイトカイン, ケモカインがかゆみの惹起に関与していると考えられている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。