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特集 蕁麻疹~この10年を振り返る~

特集にあたって

宮地良樹

皮膚アレルギーフロンティア Vol.11 No.1, 5-5, 2013

「皮膚アレルギーフロンティア」誌も創刊後10年を経過したので, この数回はアレルギー性皮膚疾患の「この10年を振り返る」という趣旨で企画をしている. 今回は蕁麻疹のこの10年の進歩を振り返り総括する特集を組んだ. まず巻頭には堀川達弥先生のオーバービューを掲載した. この10年の蕁麻疹の動向を俯瞰して, 次の10年を見据えた総説をお願いした. 神戸直智先生らには, 自己炎症性皮膚疾患の研究からAntihistamine-refractory urticariaのコンセプトを創薬も念頭にまとめていただいた. 今まで抗ヒスタミン薬が効かないと思っていた蕁麻疹の意外な側面を垣間見ることができると思われる. 対談でも登場していただいた森田栄伸先生には, 加水分解コムギで図らずも露呈した経皮感作の重要性について言及いただいた. 将来的には, 喘息を含めたアレルギーマーチにおける経皮感作の重要性, 予防策としてのスキンケアの重要性を再認識させる大きなアレルギー学の進歩につながるのではないかと思われる. 片山一朗先生には, 日常診療で問題になる「蕁麻疹治療における安易なステロイドの使用」について警鐘を鳴らしていただいた. 最後に三原祥嗣先生に蕁麻疹における抗ヒスタミン薬の使い方をまとめていただいた. ガイドライン策定後, とくに特発性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬の使い方は一層のスキルを求められるようになった. そのなかで, とくにインペアード・パフォーマンス, インバース・アゴニストの考え方, 増量か変更か, という命題も含めて明快に解説していただいた. このようなデータを背景に, 患者さんから浴びせられる「原因は何ですか?」, 「いつまで飲めばいいのですか?」という質問に少しずつ, しかし着実に回答を用意できる新しい時代に突入しつつあるという実感を読者諸氏も強くされることと思う. 蕁麻疹診療の新たな息吹を本特集の中から肌で感じていただければと思う.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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