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皮膚病変から学ぶアレルギーの鑑別

主訴:下肢の皮疹

水川良子

皮膚アレルギーフロンティア Vol.9 No.3, 65-67, 2011

症例
患 者:70歳代前半,男性.
主 訴:下肢の皮疹.
家族歴・既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:数年前から10月頃になると,下腿を中心に瘙痒を伴う皮疹が出現し,下肢および上肢にも拡大するようになってきた.例年4月頃から症状の軽快が認められていたが,5月になっても瘙痒が続くため来院した.なお,シャワー浴を好み,タオルを用いて全身を洗浄する.

現 症:下腿伸側を中心に下肢の皮膚は乾燥粗造化し,爪甲大までの鱗屑を伴う紅斑が散在して認められた(図1).

質問 Question
①診断は?
②鑑別診断は?
③必要な検査,治療は?

Answer:皮脂欠乏性湿疹

1 診断 Diagnosis

 ①季節性があること(湿度が低下する10月頃より症状が出現し,暖かくなり湿度が上昇する4月頃から軽快する傾向が認められる),②シャワー浴を好む(湯舟につかる習慣があまりなく,かつタオルで擦って洗う),③触診上,乾燥症状がある,④高齢であることなどの点から,乾燥症状を主体とした湿疹病変であり,皮脂欠乏性湿疹と診断した.

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