要 約  この10年のあいだに国内外で複数のガイドラインが作成され,蕁麻疹の病型分類がほぼ確立した.わが国では2005年に最初のガイドラインが作成され,2011年にはEBMに基づく形に改訂された.Ⅰ型アレルギーでは口腔アレルギー症候群(OAS),食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)における感作と症状出現の機序の解明が進み,これらに対するアドレナリンの自己注射も認められるようになった.FDEIAでは,石鹸などに含まれる加水分解小麦という新しい感作源が登場し,コリン性蕁麻疹では汗アレルギーを含む複数の病態があることも明らかになった.また,特発性の蕁麻疹で凝固系が亢進し,病勢把握や治療にも反映され得ることが明らかにされつつある.