皮膚アレルギー:この10年を振り返る
接触皮膚炎:この10年を振り返って
Review : Contact Dermatitis
皮膚アレルギーフロンティア Vol.9 No.3, 19-23, 2011
要 約
接触皮膚炎とは外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応である.今回,接触皮膚炎の発症機序,臨床症状,原因抗原,治療法など,基礎から臨床において最近の10年間での変化に関して述べたい.
KEY WORDS
接触皮膚炎/接触皮膚炎診療ガイドライン/ランゲルハンス細胞/サイトカイン/プロスタグランジンD2/Th2/CRTH2/Th1/Th17/Treg/ケモカイン
接触皮膚炎
外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応.
ランゲルハンス細胞
ランゲリン(ランゲルハンス細胞のバーベック顆粒形成に関与する,膜貫通2型のC型レクチン)陽性の表皮内樹状細胞.
はじめに
2009年に「接触皮膚炎診療ガイドライン」が策定され,接触皮膚炎とは外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応とされた.今回は接触皮膚炎の発症機序,臨床症状,原因抗原,治療法など,基礎から臨床において最近の10年間での変化に関して述べたい.
1 発症機序
接触皮膚炎でとくに難治性を示すものがアレルギー性接触皮膚炎(allergic contact dermatitis;ACD)である.感作成立とアレルギー反応の出現過程は,大きく感作経路(sensitization phase)と惹起反応(elicitation phase)の2つに分類される1).この発症機序に関しては,10年間で新たな展開がみられている.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。