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膠原病とアレルギー

皮膚筋炎とアレルギー~IgE・光線過敏・成人スティル病

Association between dermatomyositis and allergy;IgE, photo-allergy and adult onset Still’s disease

久保正英

皮膚アレルギーフロンティア Vol.9 No.2, 19-22, 2011

要 約
 皮膚筋炎におけるアレルギー的側面を解説した.皮膚筋炎においてIgE値が高値を示す例があり,小児においてはアトピー性皮膚炎の合併が考慮されるが,成人例ではアトピー性皮膚炎などIgEの高値を認めない症例も報告されている.臨床像からは光線アレルギーの存在も考えられるが,その特徴について,過去の研究および過去の臨床報告から推論した.感染アレルギーが原因であるとされる成人スティル病で臨床像が皮膚筋炎に類似する症例が多数報告されており,その異同につき解説した.

KEY WORDS
皮膚筋炎/IgE/成人スティル病/光線過敏症/MED(最小紅斑量)

成人スティル病
若年性リウマチと類似した臨床症状を呈する成人例.典型疹は蕁麻疹様の皮疹で,発熱(spike fever)とともに出現するが,非典型疹は皮膚筋炎の皮疹と類似するものがみられる.

光線過敏症
とくに紫外線の曝露後に顔面,手背などの露光部を中心に皮疹が容易に出現する状態を指す.臨床的には露光部の皮疹で診断する.最小紅斑量の測定が診断に有用であるとされる.

はじめに

 皮膚筋炎は主として近位筋における非感染性の亜急性の炎症を呈するとともに,ゴットロン徴候やヘリオトロープ疹などを含むさまざまな特徴的な皮膚症状がみられる疾患で,膠原病に分類されるにもかかわらず,他のSLEや強皮症,関節リウマチなどと比較して悪性腫瘍の合併率が高いなどの特徴がみられる.アレルギーの側面から皮膚筋炎をみた場合,皮膚筋炎の皮疹として光線曝露部に一致する皮疹を伴うことから,光線過敏症を伴う場合や,臨床検査値としてIgE上昇を伴う場合がある.また,細菌やウイルスに対するアレルギーが原因のひとつとして推定されている成人スティル病の皮疹にきわめて類似し,同疾患との異同が問題になる例が報告されている.これらの点を解説する.

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