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ADモデル

Flaky tail マウス

Flaky tail mouse

椛島健治

皮膚アレルギーフロンティア Vol.9 No.1, 35-38, 2011

要 約
 2006年に,皮膚のバリア機能を司るフィラグリン遺伝子変異が一部のアトピー性皮膚炎患者に認められたことを契機に,アトピー性皮膚炎の原因のひとつとしてバリア破壊が関与していることが認知されるに至った.ヒトと同様にフィラグリン遺伝子に変異を有するflaky tailマウスは,乾燥肌,湿疹様皮膚炎,IgE上昇などのヒトのアトピー性皮膚炎と同様の症状を呈した.また,ダニ抗原曝露により,野生型マウスに比べて著明なアトピー性皮膚炎様の臨床症状が誘発された.今後,flaky tailマウスがアトピー性皮膚炎の病態解明などに有用な新たなモデルとなることが期待される.

KEY WORDS
皮膚バリア/フィラグリン/アトピー性皮膚炎/Flaky tailマウス

皮膚バリア
皮膚バリアは,皮脂,角層,表皮のタイトジャンクションの大きく3つの組織学的構造よりなる.なかでも角層のバリア機能における役割は重要であり,角層細胞,周辺帯(cornified cell envelope),角質細胞間脂質の3つの要素からなり,レンガの構造を想像すると理解しやすい(図1).

フィラグリン
表皮の顆粒層におけるケラトヒアリン顆粒内にプロフィラグリンが存在する.プロフィラグリンをコードするフィラグリン遺伝子は10~12個のフィラグリンリピートからなり,これらのリンカードメインはマトリプターゼやCAP1により分解され,各フィラグリンができる(図2).

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