要 約  われわれはHR-1ヘアレスマウスをげっ歯類の通常飼料からマグネシウム量を低下させた特殊飼料で飼育することにより,通常飼料で飼育した対照マウスと比較して,搔破行動などの臨床症状,皮膚生理機能の低下,皮膚病理組織像でのマスト細胞数や血中IgE値の有意な増加などのアトピー性皮膚炎(AD)患者で認められる特徴を有し,さらに抗アレルギー薬により搔破行動が抑制される食餌誘導AD様モデルマウスの作製に成功した.この食餌誘導AD様モデルマウスは,ADの病態解明や新しい抗アレルギー薬の開発などに有用なモデルマウスとなり得る可能性がある.