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RA Clinical Question

臨床的寛解の判定基準を教えてください

平田信太郎田中良哉

Arthritis―運動器疾患と炎症― Vol.11 No.2, 44-45, 2013

 関節リウマチ(RA)の治療成績は,メトトレキサート(MTX)と生物学的製剤の導入による治療戦略の進歩に伴って飛躍的に向上した.TiCoRA study 1)およびCAMERA study 2)では,複合的な疾患活動性指標により数値化された疾患活動性に基づき治療戦略を選択するタイトコントロールが,臨床的寛解への到達に重要であることを示している.これらの知見から,2010年にTreat to Target(T2T)イニシアチブによる治療リコメンデーションが提唱され3),同じく2010年にEULARから発表されたRA治療リコメンデーションでも,臨床的寛解は現実的な治療目標として明記されている4).

 では「臨床的寛解」とはどのような状態であろうか.T2Tリコメンデーションでは,ステートメント2に「臨床的寛解とは,疾患活動性による臨床症状・徴候が消失した状態と定義する」と述べている.一方,ステートメント3に「寛解を明確な治療目標とすべきであるが,現時点では,進行した患者や長期罹患患者は,低疾患活動性が当面の目標となり得る」と述べている.また,ステートメント6に「日常診療における治療方針の決定には,関節所見を含む総合的疾患活動性指標を用いて評価する必要がある」と述べており,具体的指標としてDAS(Disease Activity Score),DAS28,SDAI(Simplified Disease Activity Index),CDAI(Clinical Disease Activity Index)およびその他の評価ツールを挙げ,その選択は医師の裁量を認めている3).すなわち,「真の」臨床的寛解状態と,「治療目標としての」臨床的寛解状態は,異なった定義付けをなされていることに注意すべきである.
 ACR/EULARから2011年に,治療開始後12~24ヵ月のあいだの良好なアウトカム(関節破壊抑制〔Sharp-van der Heijde スコア ≤ 0〕および機能障害抑制〔HAQ変化 ≤ 0 かつ HAQスコア ≤ 0.5〕)に対する治療開始6ヵ月後の尤度比に基づいて,臨床研究における寛解基準(Boolean based definition〔TJC28, SJC28, CRP, PtGA ≤ 1〕,Index based definition〔SDAI ≤ 3.3〕)および実地臨床における寛解基準(Boolean based definition〔TJC28, SJC28, PtGA ≤1〕,Index based definition〔CDAI ≤ 2.8〕)が定義されている5)(表1).

 2012年にACRから発表された改訂RA治療リコメンデーションでも,臨床的寛解は現実的な治療目標として明記されているが,DAS28,CDAI,SDAIに加え,いわゆるPROs(patient reported outcomes)であるPAS(Patient Activity Scale),PAS-Ⅱ,RAPID-3(Routine Assessment of Patient Index Data-3)も,新たに疾患活動性指標として列挙されている6)(表2).

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