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座談会(Round Table Discussion)

半月板損傷の診断と治療

堀部秀二大森豪畑山和久中田研

Arthritis―運動器疾患と炎症― Vol.10 No.3, 45-55, 2012

半月板損傷の診断
堀部 半月板損傷の診断は,おもにMRI検査で行われていると思いますが,留意点として,①半月実質内の輝度や形態に着目すること,②合併損傷,とくに前十字靱帯(anterior cruciate ligament;ACL)損傷や軟骨損傷の有無を確認すること,③半月板損傷に対する術式をある程度予測することなどが挙げられると思います.

出席者(発言順)
堀部秀二 Horibe Shuji…司会
大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科教授

大森 豪 Omori Go
新潟大学研究推進機構超域学術院教授

畑山和久 Hatayama Kazuhisa
善衆会病院整形外科

中田 研 Nakata Ken
大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)講師

半月板損傷の診断(続き)

堀部 先生方はほかにどのような点に留意されていますか.
大森 やはり,損傷形態と部位,軟骨損傷を含めた合併損傷の程度に留意します.そして,診断の手順も大切だと思っています.MRI画像は半月板損傷の診断に欠かせませんが,患者さんの訴えている症状や臨床所見との整合性が得られることが非常に大切ですので,原則的には,画像検査は補助診断だと考えています.若い先生は最初にMRIを撮ることが多いようですが,MRI画像所見に引っ張られ,そのあとで行う本当に大切な病歴や診察所見が少し偏ることもあるため,病歴,診察,そしてMRIという手順が良いと思います.
畑山 私も,臨床症状としての可動域制限やメカニカル症状がMRI画像から説明できるかどうかという点が,半月板損傷の治療に対する重要な鍵になると思います.また,半月板を損傷して長く経過していると軟骨下骨部への変化がみられますので,損傷が急性か慢性かといったことも考えながら診察しています.
中田 私は症状と画像の両方が大切だと思います.症状は,階段昇降や膝屈伸動作時の痛みとメカニカル症状と言われるロッキングやキャッチングと痛みです.痛みは,滑膜ひだ障害や変形性関節症(osteoarthritis;OA),色素性絨毛結節性滑膜炎(pigmented villonodular synovitis;PVS),膝蓋下脂肪体炎など半月板損傷以外にもいろいろな原因で起こるため,確定しづらいですが,メカニカル症状は比較的半月板損傷や軟骨損傷などを確定できます.私は,診断にかかる比重を,病歴と症状に対して40,徒手検査が20,画像は40くらいと考えています.
堀部 中田先生は,MRIを用いて半月の動態を観察し,半月板損傷の診断に活用されていますね.
中田 3D評価と屈曲位撮影による動態評価を組み合わせて診断しています(図1).

3Dにすることにより,視覚的に損傷をとらえやすくなります.屈曲位撮影は,損傷半月などはオープンMRIでは画像が低いため,1.5T高磁場MRIを用い,膝屈曲0度~60度までを異なる膝屈曲角度で撮影します.ガントリーが60cmほどあれば,60度まではどこの病院でも問題なく撮影できます.各画像を脛骨で重ねることで,屈曲するにつれて正常な半月板では7~9mm後ろに動くことや,変形することもわかり,動態を評価できます.とくに屈曲位で半月板を見ると,伸展位で見ただけではわからない病態,たとえば半月板損傷で多い,中節-後節の損傷を見ることが可能となります.
 同じような水平断裂の症例でも,膝屈曲に伴って断裂部が4mmほど開き,痛みを訴える人もいれば,正常な半月のように動き,断裂部があまり開かない人もいます.個々の症例により動態が異なることがわかりました(図2).こういう症例があるため,半月板損傷のMRI診断は,3D評価や動態評価に加えて荷重評価を行っていますが,荷重評価は少し定量性が難しいです.

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