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シリーズ スポーツ医学

第25回 トップメディカルドクターにきくスポーツの落とし穴~バレエダンサーの足部障害~

蘆田ひろみ堀内充

Arthritis―運動器疾患と炎症― Vol.9 No.3, 64-68, 2011

 クラシックバレエでは,足の障害が多いが,その原因は,単純に筋力やストレッチの不足だけではなく,バレエテクニック自体と関連していることが多い.バレエテクニックを医師が理解して患者に説明することで,障害の反復を防ぎ,ダンサーのテクニックも向上すると考えられる.

はじめに

 少子化のなかにあっても,ダンスクラシック(バレエと略す)を習う子どもの数は増加しており,日本のバレエコンクールの増加数も年間100件を超え,過熱化に伴いダンスによる足の障害も多くなっている.つま先立ちのテクニックに注目すれば,バレエによる足の障害は前足部に起こる(たとえば外反母趾など)と考えられがちだが,実際のバレエで起こる足の障害は後足部と足関節に多く,①内反捻挫,②アキレス腱周囲炎,アキレス腱以外の腱鞘炎,③足関節インピンジメント症候群などが多くを占めている1)-7)(皮膚科障害を除く).
 今回はこの最も多い内反捻挫を中心に,バレエテクニックとの関連について説明する.

当院での受診患者の統計と,大学や専門学校でのアンケート調査の結果(バレエ生徒)

 対象の2009~2011年のあいだに筆者らの医院を受診した7~15歳のバレエ生徒は142名(男性4名)で,大半がダンスコンクールなどを控えて痛みを訴えた.そのうち,前足部の症例が19例,後足部や足関節の症例が51例あった(図1).

 また,セミプロといえる学生の,バレエ専門学校(43例うち男性6名)と芸術大学の舞踊科の者(55例うち男性7名)に対してアンケート調査を行った結果(18~21歳,バレエ歴3~16年,平均12.9年),キャリアが長く体重が増えると障害部分が多様化を起こすのは当然なものの,62例が後足部や足関節の痛みを,8例が前足部の痛みを経験している.

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