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Arthritis Topics

ライデン紀行 第3回 Leiden University Medical Centerで学んだこと(3)

平田信太郎

Arthritis―運動器疾患と炎症― Vol.9 No.3, 56-57, 2011

 2010年8月31日~9月2日までの3日間,Leiden University Medical Center(LUMC)においてmodified Total Sharp Score(mTSS)研修会に参加する機会をいただいた.この研修会は,van der Heijde教授によるレクチャーと,複数のグループに分かれLUMCの関節リウマチ(RA)患者のX線読影・スコアリングを行い,シャウカステンあるいはモニタを前に関節所見についてディスカッションする,という形式であった.読影者間で見解が分かれる所見について,van der Heijde教授に直接質問し解釈を学ぶという,夢のような研修会であった.このような研修会は初の試みということで,参加したわが国のrheumatologist全員にとって忘れることのできない素晴らしい体験であった.
 さて,本稿ではvan der Heijde教授のレクチャー内容から,mTSSによるスコアリングの理論的側面について概説したい.

1. RAでみられる関節X線の異常所見

 RA患者の単純X線では,骨粗鬆症(osteoporosis),骨嚢胞(cysts),骨びらん(erosions),関節裂隙狭小化(joint space narrowing),亜脱臼(subluxation),強直(ankylosis),アライメント不良(malalignment),硬化(sclerosis)など多彩な所見がみられる.mTSSではこれらの所見を関節裂隙狭小化スコア(joint space narrowing score;JSN score)と骨びらんスコア(erosion score;ERO score)に集約・単純化してスコアリングするものである.

2. 手足の評価のみで十分である根拠

 RAの関節破壊は手足のみならず,顎・脊椎・肘・肩・股・膝など全身のあらゆる関節で生じることは言うまでもない.しかし評価対象となる関節数が多ければ多くなるほど,スコアリングには大変な労力を要する.手・足のX線は,1枚の画像内にRAの好発罹患関節が観察可能である.また,Larsen scoreを用いて,両手・両足の関節評価とほかの関節評価との相関を検討した研究があり(図1)1),両手足によるスコアリングは全身の関節所見を評価する点で合理的であるといえる.

3. 適切な評価者数

 mTSSに限らず,あらゆる画像スコアの評価では,評価者間のスコアの乖離がしばしば問題となる.評価者同士でのルールの共有および各評価者の読影スキル上達・維持が重要であることはもちろんであるが,乖離を皆無にすることは難しい.そこで,ひとつのスタディでは決まった複数の評価者がすべての対象画像を読影し,スコアリングの平均を採用するという方法が推奨される.関節評価に適切な評価者数を検討した研究を示す(図2)2).

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