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特集 糖尿病に合併する動脈硬化症

1.糖尿病専門医から診る動脈硬化症の病態と治療

1)インスリン治療を中心に―インスリン治療と動脈硬化―

勝野朋幸難波光義

Angiology Frontier Vol.15 No.3, 19-25, 2016

糖尿病治療の大きな目的は,良好な血糖管理を継続的に維持し,糖尿病血管合併症の発症・進展を抑制することである。その一方で,薬物療法,特にインスリン療法やSU薬を中心とした早急で厳格な血糖管理は,重症低血糖や体重増加のリスクを大きくし,心血管合併症を含んだ動脈硬化疾患に大きな影響をもたらす。本稿では,ホルモンとしてのインスリンと動脈硬化,インスリン治療と動脈硬化,および重症低血糖がもたらす心血管障害,インスリン使用量の増加に伴う高インスリン血症などから危惧される動脈硬化の成立の機序などについて述べる。また,当施設のインスリン治療における低血糖回避・体重増加抑制の試みを示す。
「KEY WORDS」インスリン治療,動脈硬化,インスリン抵抗性,重症低血糖,体重増加

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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