「Summary」肺高血圧症(PH)のニース分類ではGroup 2に分類され,平均肺動脈圧(mPAP)≧25mmHg,肺動脈楔入圧(PAWP)>15mmHgで定義される心疾患に伴うPHは,左心系心疾患の予後不良因子となることはよく知られている。頻度は,PHのなかで最も多いとされているにもかかわらず,その一方で病態や治療に関するエビデンスは少ない。さまざまなメカニズムにより肺血管のリモデリングをきたすことで肺動脈圧はさらに上昇するが,治療としての肺血管拡張薬の使用は確立されていない。現時点では,左心系基礎疾患の治療が優先されるべきであり,肺血管に対する選択的治療は今後の課題であるといえる。
特集 肺高血圧症治療の最前線
左心疾患に伴う肺高血圧症
Pulmonary hypertension due to left heart diseases
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.14 No.2 41-46,
2015
著者名
杉村 宏一郎
/
下川 宏明
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
呼吸器
/
高血圧
診療科目
心臓血管外科
/
循環器内科
/
呼吸器内科
媒体
Angiology Frontier
Key Words
肺高血圧症,左心疾患,肺血管リモデリング,肺血管拡張薬
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。