特集 血管内治療と外科的治療 Up-To-Date
間歇性跛行に対する血管内治療の役割・限界
The role and limitation of endovascular therapy for intermittent claudication
Angiology Frontier Vol.13 No.3, 19-27, 2014
「Summary」2000年に行われた厚生労働省調査によれば,60歳代で約6%,70歳以上で約13%が何らかの間歇性跛行を自覚していた。間歇性跛行の原疾患は神経性跛行と血管性跛行に大別され,神経性跛行は腰部脊柱管狭窄症(LSS)に,血管性跛行は末梢動脈疾患(PAD)に代表される。近年,食生活および生活習慣の欧米化に伴い虚血性心疾患に代表される動脈硬化性疾患の増加が顕著であり,PADについても増加の一途を辿っている。実際,2000年から2010年にかけて,全世界で23.5%増加したとの報告もある。PADの症状は,主として間歇性跛行ならびに重症下肢虚血(CLI)であり,70~80%が間歇性跛行とされている。すなわち,PADの治療は間歇性跛行の治療といっても過言ではない。本稿では,間歇性跛行に対する血管内治療の役割・限界について概説する。
「Key words」末梢動脈疾患(PAD),間歇性跛行,TASCⅡ,血管内治療,再狭窄
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