「Summary」 心不全診療において, B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)/B型ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-ProBNP)をはじめとするバイオマーカーは診断, 治療効果判定, 予後予測に欠かすことができず, 先に取り上げられている急性冠症候群の診断におけるバイオマーカーの有用性と匹敵するほどである. 心不全におけるバイオマーカーは, BNP/NT-ProBNP以外に心筋障害, 線維化など各種病態を反映する数多くのバイオマーカーの有用性が検討されているが, 実際の診療では主にBNP/NT-ProBNPが用いられている. 心筋障害マーカーである心筋トロポニンは急性冠症候群の診断において重要な役割を果たしているが, 最近では高感度トロポニンの測定も可能となり, 心不全領域でも予後予測, リスク層別化などでの有用性が注目されるようになってきた. 「はじめに」 現在の心不全診療において, バイオマーカーが診断, リスク層別化, 予後予測に有用であることはいうまでもなく, 表1のように多種多様なバイオマーカーが炎症, 線維化, 心筋障害など心不全のさまざまな病態を反映するべく検討されている1).
特集 心血管病とバイオマーカー
心不全診療におけるバイオマーカーの有用性
The utility of biomarker for management of heart failure
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.13 No.2 18-26,
2014
著者名
小川 久雄
/
髙潮 征爾
/
山室 惠
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
手術・救急
/
心臓血管外科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。