「はじめに」人口の高齢化に伴い急増する大動脈弁狭窄症(aortic valve stenosis;AS)であるが, 高齢や併存合併症のため開心術がハイリスクと判断される患者は相当数存在し1)-3), そうしたハイリスクAS患者に対する低侵襲治療として登場したのが経カテーテル的大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)である4). 2013年の時点で, すでに全世界で80000以上のTAVIが施行された. 本邦においても, バルーン拡張型デバイスであるEdwards Lifesciences社のサピエンXT(以下, サピエンXT, 図1)と自己拡張型であるMedtronic社のCore Valve ReValving System(以下, CoreValve, 図2)の治験が進められ, 2013年10月にサピエンXTが保険収載された.