「Summary」リンパ管系は血管系と並ぶ第2の循環系であるが, 血管系とは異なる特徴を有している. たとえば, 心臓様のポンプがなくリンパ管自身に収縮能が存在すること, 組織間隙に漏出した血漿蛋白の回収路になっていること, リンパ節が存在し免疫機能を有することなどが挙げられる. 一方, リンパ浮腫は臨床的には病態の解析や重症度分類, 治療法も保存的療法や外科的療法などが最近目覚ましい進歩を遂げているが, リンパ管の形態や機能の特性と治療法との関連についてはまだ十分に理解されているとは言いがたい. そこで本稿では, それらの関連性を理解していただくためにリンパ管の構造, リンパ輸送様式, リンパ管内皮細胞の特性やリンパ液の流れが及ぼす影響について概説する. 「はじめに」原生動物では外環境液が直接細胞に接しているが, 動物が進化するにつれて循環系ができ, 心臓が認められるようになる. しかし, 多くの無脊椎動物の循環系は開放循環系で, 血液は細胞間隙を直接流れている.
特集 リンパ浮腫の臨床Up-To-Date
リンパ管の解剖・生理学の最近のトピックス
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.12 No.2 11-16,
2013
著者名
河合 佳子
/
大橋 俊夫
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
血液
/
癌
診療科目
心臓血管外科
/
腫瘍内科
/
循環器内科
/
血液内科
/
一般外科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。