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目でみる血管障害

血管炎の画像診断〈II〉

加藤陽子磯部光章

Angiology Frontier Vol.12 No.1, 1-5, 2013

「はじめに」循環器医が診療することが多い血管炎として, 大型血管炎の高安動脈炎と中型血管炎の川崎病が挙げられる1). 前号の高安動脈炎に引き続き, 今号は川崎病の画像診断について取り上げる. 「1 川崎病とは」川崎病は, 主として乳幼児に好発する原因不明の中型血管炎である. 2011年の第21回川崎病全国調査成績によると, 3歳未満の患者が全体の66.8%(男67.7%, 女65.6%)を占める. 急性期に発熱・皮膚症状・リンパ節腫脹などを認めるほか, 1ヵ月以内に9.3%で心障害(なかでも冠動脈瘤)をきたす2). 5mm以下の小さな冠動脈瘤は自然軽快することが多いが, 6mm以上の大きな瘤はその後狭窄をきたして心筋虚血や心筋梗塞を引き起こすことがある3). 小児期より冠動脈瘤が存在するものの, 無症状で成人期に達した川崎病患者や, 狭心症・心筋梗塞・心不全および重症不整脈のある症例は医療的介入を必要とする4).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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