「Wntシグナル伝達系」Wntは分子量約4万の分泌蛋白で, 種を越えて保存されている. ショウジョウバエで最初に同定されたwingless(wg)とマウス乳癌ウイルスによって活性化される癌遺伝子として同定されたint-1が相同遺伝子であることから, 脊椎動物におけるwg相同遺伝子はWnt(wg+int)と呼ばれるようになった. Wntにより活性化される細胞内シグナル伝達経路には, 少なくとも3つ((1)β-カテニンが遺伝子発現を制御するβ-カテニン経路, (2)平面内細胞極性(planar cell polarity; PCP)を制御するPCP経路, (3)細胞内Ca2+動員を促進するCa2+経路)が存在する(図1)1). このうち, β-カテニン経路は古典的Wnt経路(canonical Wnt pathway), それ以外の経路は非古典的Wnt経路(non-canonical Wnt pathway)と呼ばれることもある.
私の研究―My Research―
第1回 老化とWntシグナル
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.11 No.4 59-63,
2012
著者名
塩島 一朗
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
アンチエイジング
診療科目
脳神経外科
/
整形外科
/
老年科
/
神経内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。