「Summary」Chronic Kidney Disease related Mineral and Bone Disorder=CKD-MBDとは「骨や心血管異常を呈するに至る慢性腎臓病に伴う全身性ミネラル代謝異常」と定義され, 検査値・骨代謝・血管石灰化の3つの異常からなると認識される. 一方, 骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴とし, 骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義される. 慢性腎臓病に伴う骨疾患は, 必ずしもそのすべてが全身性のミネラル代謝異常に基づくものではない. 透析患者の大腿骨近位部骨折の頻度は著しく高いが, しかし骨強度はミネラル代謝以外の因子によって規定されている. したがって, 透析患者に骨脆弱性を招いているのは「CKD-MBDの骨病変」ではなく, 「尿毒症性骨粗鬆症」と呼ぶべき新たな病態であると認識すべきであろう. 「はじめに」透析患者に骨折が起こりやすいことは日常診療で漠然と実感されており, それは一部の臨床研究でも実際に確かめられている1)2).
特集 CKD-MBDの病態から治療まで
CKD-MBDの骨代謝
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.11 No.4 44-49,
2012
著者名
風間 順一郎
記事体裁
抄録
疾患領域
骨・関節
/
代謝・内分泌
/
腎臓
診療科目
老年科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
泌尿器科
/
腎臓内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。