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特集 CKD-MBDの病態から治療まで

栄養リン制限

横山啓太郎

Angiology Frontier Vol.11 No.4, 25-29, 2012

「Summary」腎機能が正常であればリンの調節系は有効に働き, 蛋白摂取量, エネルギー摂取量あるいはリン摂取量は血清リン値に影響を与えない. 一方腎機能が低下すると, リン蓄積が顕在化し高リン血症が出現する. そして, 慢性腎臓病(CKD)患者おいては血清リンが生命予後と関連する. リンを制限することが, 生命予後改善につながることが期待されている. しかし, ここで重要なのは患者の栄養状態を評価して低栄養でないことを確認後, リンの制限をすることである. 実際に食事摂取量の十分な透析患者では血清リン値をコントロールすることは生命予後の改善につながるが, 食事摂取量の不十分な透析患者では血清リン値をコントロールすることはむしろ生命予後を悪化させる危険性が懸念されている. 個々の患者に沿ったリン管理が必要であろう. 「1 リンの恒常性と調節機構」体内で最も多いミネラルはカルシウムでリンはその次に多く, リンとカルシウムは1:2の割合で存在している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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