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循環器病研究の最前線

第6回 トロンボモデュリン研究の最前線

丸山征郎

Angiology Frontier Vol.11 No.3, 65-68, 2012

「はじめに」トロンボモデュリン(thrombomodulin; TM)は, 当初血管内皮細胞上でトロンビンを凝固酵素から抗凝固酵素へ変換する膜蛋白として同定された(図1). すなわち, TMに結合したトロンビンもはや, 血小板活性化能や凝固因子活性化能を喪失し, 逆にプロテインC(protein C; PC)を活性化PC(activated PC; APC)に転換してAPCが抗凝固, 抗炎症能を発揮するというものである1). しかし最近になり, TMには多彩な活性があることが判明してきた. 本稿では, それらについて紹介する. 「TMの古典的な活性」TMは, 5つのドメイン: 細胞外のN末端(レクチン様ドメイン), 6つのEGF様ドメイン, O型糖鎖結合ドメイン, 細胞膜貫通ドメイン, 細胞質内ドメインからなる(図1). このうち, トロンビンは4, 5, 6番目のEGF様ドメインに結合する2). このTM上のトロンビンには血小板やフィブリノゲン, その他の凝固因子はアクセスできず, 逆にPCが結合する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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