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特集 呼吸器疾患と血管病変

肺癌と深部静脈血栓症

横井崇

Angiology Frontier Vol.11 No.3, 44-47, 2012

「Summary」近年, 癌治療の進歩や生存率の改善の向上に伴い, 癌患者の深部静脈血栓症はよくみられる合併症の1つになっているが, 特に肺癌に合併する頻度が高い. 担癌患者の深部静脈血栓症発症に関連する因子として, 患者関連因子, 癌関連因子, 治療関連因子などがあるが, 確実に予測することは困難である. 低分子ヘパリンの予防投与は出血合併リスクが高く, ルーチンでの予防投与は有効でない. 治療として海外では低分子ヘパリンが推奨されているものの, 本邦では保険適応上の問題から日常診療ではヘパリンやワルファリンの投与が多い. このため, 本邦でも癌関連血栓症の予測因子の開発, 予防や治療に対する低分子ヘパリン, 超低分子ヘパリン, 抗トロンビン薬などのエビデンス構築が必要である. 「はじめに」癌と血栓症の関係は1865年にTrousseauによってはじめて報告されたが1), 近年の癌治療の進歩や生存率の改善に伴って, 癌患者の深部静脈血栓症はよくみられる合併症の1つになっている2)3).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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