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特集 呼吸器疾患と血管病変

感染症と急性肺障害(ALI/ARDS)

宮良高維

Angiology Frontier Vol.11 No.3, 22-28, 2012

「Summary」急性呼吸促迫症候群(ARDS)は全身性炎症反応による肺の酸素化能低下状態を指すが, 感染症, 特に肺炎はその原因となる頻度が高い. この場合の治療の第一は, 炎症を惹起している原因菌に適合する抗菌薬の選択であり, 原因菌不明の段階では広範囲の病原体をカバー可能な併用療法を行う. 炎症反応そのものの制御としては, 0.5~2.5mg/kg/日程度のメチルプレドニゾロンを急性期から使用する方法などである程度の効果が得られている. 近年注目されているのは, 炎症で惹起される過凝固状態がさらに炎症を促進する点である. 重症急性炎症反応で相対的に不足するトロンボモデュリンの遺伝子組み換え体を外来性に補充投与することにより凝固異常を制御するなどの治療は, 今後検討されるべきARDSに対する新たな治療介入の方向と考えられる. 「はじめに」急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome; ARDS)は, 依然として致命率が30~50%程度と高い疾患であり, 救命率向上目的で模索されている治療介入の中心は, 現状では副腎皮質ステロイドによる抗炎症療法と人工呼吸管理である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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