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特集 呼吸器疾患と血管病変

特集にあたって

野村昌作

Angiology Frontier Vol.11 No.3, 12-12, 2012

今回の『Angiology Frontier』は, 「呼吸器疾患と血管病変」というタイトルで特集を組んでみました. 生活習慣病は, 肥満, 高血圧, 糖尿病に基づいて起こる動脈硬化や血栓が世界的にも高い死亡率につながることから, 日本でも日常臨床において治療ターゲットとして重視されています. 一方, 肺の慢性疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)が“肺の生活習慣病”と言われ, いわゆる生活習慣病との関わりが指摘されています. 本特集では, さまざまな領域でご活躍の先生方に, それぞれのご専門の角度から呼吸器疾患と血管病変に関する最新の知見を紹介して頂きたく, 執筆をお願い致しました. まず, 京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の谷澤先生には, 呼吸器疾患と動脈硬化症についてわかり易く解説して頂きました. 続いて関西医科大学内科学第一講座の宮良先生には, 感染症と急性肺障害(ALI/ARDS)について解説して頂きました. 本文にもありますように, 急性呼吸促迫症候群(ARDS)は依然として致命率が高い疾患であり, 治療介入の中心はステロイド薬による抗炎症療法と人工呼吸管理であります. 大阪府立成人病センター呼吸器内科の熊谷先生には, 肺癌に対する分子標的治療薬として重要なEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)について解説して頂きました. また, 神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科の北村先生には, 特発性肺線維症とサイトカインにつき概説して頂き, 関西医科大学内科学第一講座の横井先生には肺癌による深部静脈血栓症の発症メカニズムや症状・治療についてまとめて頂きました. さらに, 近畿中央病院呼吸器内科の中西先生にはCOPDとアディポネクチンの関係について解説して頂き, 最後に関西医科大学内科学第一講座の尾崎先生には呼吸器病変をきたす原因疾患として重要な膠原病に関連する病態と治療についてまとめて頂きました. 各先生方のご協力により, 豊富な内容の仕上がりになったと確信しております. 本特集が, 『Angiology Frontier』の多くの読者の方々の日常の診療や研究のお役に立てることができれば誠に幸いであります.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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