「Summary」静脈血栓塞栓症(VTE)の確定診断では, 侵襲的検査である静脈造影や肺動脈造影がゴールドスタンダードとされていた. しかし近年, 診断装置の発達により, 低侵襲または非侵襲的検査である造影CTやエコー検査が第一選択とされている. 検査方法の特徴や限界を知り, それぞれの症例に適した検査方法の選択や組み合わせにより効率よく本症を診断することが重要である. 「はじめに」肺血栓塞栓症(pulmonary thrombo-embolism; PTE)の多くは深部静脈血栓症(deep vein thrombosis; DVT)を塞栓源として発症しており, 1つの連続した病態との考え方から, 両者をあわせて静脈血栓塞栓症(venous thrombo-embolism; VTE)と呼んでいる. PTE患者の50~80%がDVTからの血栓遊離によるもので1)2), DVT患者の50~60%にPTEが合併することから3)4), 両者をあわせて考えた検査・診断・治療が重要である.
特集 血管疾患の画像診断―最新の動向
静脈血栓塞栓症とエコー・CT検査
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.11 No.2 59-65,
2012
著者名
村上 未希子
/
西上 和宏
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
呼吸器
診療科目
心臓血管外科
/
呼吸器内科
/
放射線科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。