「Summary」末梢動脈疾患のMR angiography (MRA)は装置の性能や検査時間の制約などにより施設によって異なる撮像方法が用いられているが, 今後は造影剤の不要な3次元fast spin echo (FSE)法が主流となっていくと思われる. 非造影MRAは放射線被曝や造影剤の副作用の問題がなく安全性および経済性に優れ, スクリーニング検査に適していると考えられる. 一方で, 現時点での同法の問題点は狭窄病変に対する特異度の低さである. 良質な画像を得るためには収縮期と拡張期に特化した適切な撮像タイミングの選択が最も重要であり, この自動化が今後の開発の鍵である. 「はじめに」末梢動脈疾患の形態診断は, 以前は血管造影がgold standardであった. しかし, ここ十数年の画像診断技術の劇的な発展により, 侵襲性の少ない撮像方法がスクリーニングや術前評価, 術後follow upに応用されてきている.