「Summary」頸動脈の動脈硬化性プラークの放射線診断のなかでMRイメージングが果たす役割は大きく, プラークの治療法の選択や適応の決定に有用な情報を提供する. MRで頸動脈プラークをイメージングするためには, 血管内腔の信号を抑制するblack-blood法を用いる. プラーク成分の評価は, 脂肪抑制T1強調像と脂肪抑制T2強調像を組み合わせて判定し, 不安定プラークの構成成分である脂肪に富む粥腫や出血は少なくともどちらかで高信号を示す. 被膜の断裂はTOF-MRA元画像で評価する. このようにして危険性の高い不安定プラークと安定プラークを識別でき, 頸動脈プラークの治療法の選択や適応の決定に有用な情報を提供する. 「はじめに」頸動脈の動脈硬化性プラークは脳梗塞の重大なリスク要因で, 内腔の狭窄や閉塞をきたすだけでなく, その脆弱性から動脈塞栓の原因となる1)-3). 本邦では, 近年頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting; CAS)に捕捉フィルターの保険適応が認可されて以来CAS実施件数は増加し, それとともにCASと頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy; CEA)の適応と優位性について議論がなされている4)5).
特集 血管疾患の画像診断―最新の動向
頸動脈病変とMRI検査
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.11 No.2 13-20,
2012
著者名
渡邊 祐司
/
永山 雅子
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
神経内科
/
脳神経外科
/
放射線科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。