「Summary」食後高血糖は, 心血管イベントの発症リスクである. 食後血糖改善薬であるα-グルコシダーゼ阻害薬で, 糖尿病および心血管イベントの発症抑制効果が確認されているが, もう1つの食後血糖改善薬である速効型インスリン分泌刺激薬で, 発症抑制効果は確認されていない. 最近, グリニド系薬であるレパグリニドで, 心血管イベントの発症リスクが低く, メトホルミン並みであることが示された. 心血管イベント発症に及ぼす血糖降下薬の効果については, 検証が必要である. さらに, 食後血糖をターゲットとした治療戦略に薬剤クラスの差があるか明らかにする必要がある. 「はじめに」経口血糖降下薬は, インスリン分泌促進薬, インスリン抵抗性改善薬, 糖吸収抑制薬に分類される(図1). インスリン抵抗性改善薬としてはビグアナイド薬(BG薬), チアゾリジン系薬があり, 糖吸収抑制薬にはα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)がある.
特集 大血管障害抑制の視点からみた糖尿病治療のパラダイムシフト
大血管障害抑制の視点からみた速効型インスリン分泌刺激薬
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.11 No.1 21-26,
2012
著者名
島袋 充生
/
益崎 裕章
/
佐田 政隆
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
/
糖尿病
診療科目
老年科
/
神経内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
一般内科
/
腎臓内科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。