検尿ノススメ
第55回 糸球体型赤血球判定の現状・問題点・今後の取り組み
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.14 No.4 48-54,
2015
著者名
横山 貴
/
新田孝作
記事体裁
抄録
疾患領域
腎臓
/
泌尿器
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
媒体
Nephrology Frontier
「はじめに」尿沈渣中に排出される赤血球は,腎・泌尿生殖器における出血性病変を示唆する重要な有形成分であり,各種疾患の診断や治療の指標として用いられている.出血部位の違いによって形態が変化し,下部尿路出血(非糸球体性血尿)では,赤血球が円盤状,球状,膨化や萎縮状など,均一で単調な形態を呈する非糸球体型赤血球が排出される.一方,上部尿路出血(糸球体性血尿)では,大小不同があり不均一で多彩な形態を呈する糸球体型赤血球が排出され,糸球体疾患を把握するための重要な所見とされている1,2).我が国では,尿沈渣検査法2010の刊行に伴い,糸球体型赤血球形態や判定方法が具体的に提示されたことにより,どの施設でも糸球体型赤血球形態の判定を行えるように標準化され,臨床的意義の高い検査結果を報告することが可能になった3).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。