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腎研究最前線―Up Date Nephrology

再生医療―腎再生(3)―

松本啓横尾隆

Nephrology Frontier Vol.14 No.3, 62-65, 2015

「はじめに」腎臓は解剖学的に非常に複雑な構造をとっており,再生医療のターゲットとすることが最も困難と考えられている臓器の1つである.尿を産生するだけでも生体の恒常性維持には重要な機能であるが,それに加えてレニンやエリスロポエチン,ビタミンDを介した内分泌的調整を担っており,多様な機能を有する腎臓を再生することは今まで不可能と考えられていた.山中伸弥教授によるiPS細胞の発見が再生医療研究の世界を劇的に変革し,現在では多くの研究者が臓器再生の研究に注力している.腎臓領域においてもiPS細胞から腎前駆細胞,そしてネフロンや尿細管の一部をin vitroで分化誘導することにいくつかのグループが成功しており1)-3),iPS細胞由来の腎組織が開発されるのもそう遠くない将来であるかもしれない.
「KEY WORDS」腎臓再生,胚盤胞補完法,胎生臓器ニッチ法,間葉系幹細胞,エリスロポエチン産生組織

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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