特集 CKDと認知機能障害
透析患者の認知症と終末期医療
Dementia and terminal care of dialysis patients
Nephrology Frontier Vol.14 No.3, 36-40, 2015
「SUMMARY」日本透析医学会「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」に準じて,患者ならびに家族の意思決定プロセスが実施され,維持血液透析(hemodialysis:HD)の見合わせを検討する状況に置かれていることを確認し,終末期認知症患者のHD見合わせを検討する.なお,認知症自体ではHDの見合わせは検討してはならない.認知症患者は判断能力および自己決定能力に問題があり,透析の継続とともに認知症が発症するため,透析チームは導入時に事前指示書を作成する権利があることを患者に説明し,終末期に本人が希望する治療とケアの内容を明確にしておくことが重要である.
「Ⅰ はじめに」医療者は,終末期患者に対し,社会が許容する範囲内で,医療チームで自己決定を尊重し,尊厳,Quality of life(QOL;生活の質,生命の質),医学的適応,家族の意向,説明と同意,セカンドオピニオン,周囲の状況などを考えながら,患者に安心と満足を与えられるような倫理的な配慮をする必要がある1).
「KEY WORDS」認知症,高齢者,血液透析,終末期医療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。