<< 一覧に戻る

特集 CKDと認知機能障害

特集にあたって

柏原直樹

Nephrology Frontier Vol.14 No.3, 11, 2015

CKDは心血管病や末期腎不全の危険因子であるだけでなく,認知機能障害と関連する.腎機能障害の進展とともに認知症の有病率は増加し,腎不全,透析期になると健常者と比較して2~3倍に増加することが示されている.CKD患者の認知機能を適切に評価し,マネジメントすることが求められている.高齢透析患者の認知症は,介護・ケアする家族に過大な負担を強いることからも,社会的支援体制の強化が求められている.高齢化社会の到来を迎え,診療対象の多くが高齢者となりつつある.老年人口の増加は今後も継続し,2020年には30%に達することが予想されている.高齢者診療の目標は健康寿命の延伸にあるが,CKDはそのための大きな阻害因子となっている.そのため,若・中年期からCKDを早期に診断し,適切な治療を行うことが重要である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る