<< 一覧に戻る

特集 腎臓再生医療の現状

腎疾患患者由来iPS細胞の臨床活用

Clinical application of induced pluripotent stem cells derived from renal disease patients

前伸一

Nephrology Frontier Vol.14 No.2, 30-34, 2015

「SUMMARY」iPS細胞技術の確立は,難治性疾患の患者由来iPS細胞を用いることで,新たな疾患モデルを構築することを可能とした.現在では,より簡便な方法で採取した体細胞から,リプログラミング因子が残らない方法で患者由来iPS細胞を樹立する技術が発達し,疾患の発症要因に基づく疾患モデルの作製がなされている.腎疾患の患者由来iPS細胞を用いた研究はほとんど報告されていないが,今後の発展が期待されている.
「Ⅰ はじめに」幹細胞は,細胞分裂により自己と同一の分化能を保持する娘細胞を半永久的に生み出す自己複製の能力と,特定の条件下で自己以外の様々な系譜の細胞に分化する能力を兼ね備えている.したがって,幹細胞は損傷を受けた細胞を新たに補充することで組織を修復し,再生を促すための細胞供給源として必要不可欠な役割を担っている.
「KEY WORDS」iPS細胞,患者由来iPS細胞,エピジェネティクス,疾患モデル,腎臓再生

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る