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特集 透析医療と感染症

HIV感染症と透析医療

HIV infection and dialysis medical care

日ノ下文彦

Nephrology Frontier Vol.13 No.4, 36-40, 2014

「SUMMARY」ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の予後が改善した結果,慢性腎臓病(CKD)を合併するHIV陽性患者が増加している.我が国では,判明しているだけで約90名のHIV陽性患者が血液透析(HD)を受けており,将来的にはその数が少なくとも200名前後に達することは間違いない.今後は,市中の維持HD施設もB型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)感染患者同様,HIV感染HD患者を受け入れていく必要がある.
「Ⅰ透析患者における感染症」我が国のヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)感染者数は漸増傾向にあり,HIV感染症は我が国においても身近な疾患(common disease)となりつつある.その要因として,まず抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy:ART)の著しい進歩があげられる.ARTの進歩は患者の生命予後を改善し,HIV感染症は80年代のような不治の病ではなくなり,コントロール可能な慢性感染症へと変貌を遂げた.
「KEY WORDS」HIV,血液透析,ガイドライン,感染対策

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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