透析患者は易感染性であり,種々の治療に際して,感染症への予防対策・感染してしまった場合の治療については細心の注意を払っていく必要がある.しかしながら,感染対策のポイントとなる正しい知識と情報提供,および平常時からの感染管理については,まだまだ強い問題意識が浸透していない部分もみられる.本座談会では,透析患者の感染症対策にお詳しい先生方を招き,腹膜炎やシャント感染敗血症,易感染症などの病態も含めてお話を頂戴した.
「Ⅰはじめに」秋葉――本日は透析患者の感染症治療に重きを置きながら,連続携行式腹膜透析(CAPD)患者の腹膜炎,シャント感染敗血症,および易感染症などの病態も含めてお話を伺っていきたいと思います.まず私から,透析患者の感染治療および予防について,インフルエンザを中心に紹介いたします.