特集 高血圧と腎
交感神経活性化と腎デナベーション
Sympathetic nerve activation and renal denervation
Nephrology Frontier Vol.13 No.3, 32-36, 2014
「SUMMARY」 高血圧における交感神経系活性化は, 血圧調節における腎臓の役割とともに病態の本質をなす. 腎臓においては, 腎交感神経活性化が尿細管におけるナトリウム(Na)再吸収, レニン分泌, 腎血流量減少を生じる. カテーテルを用いた腎デナベーション術が注目を浴びて5年が経ち, 初期のSymplicity HTN-1, HTN-2試験での有効性・安全性の素晴らしさから, 多くのデバイスの開発や他の病態への応用が開始された. しかし, 無作為割付かつ偽手術群を含むSymplicity HTN-3試験で両群ともに降圧効果は認められたにもかかわらず偽手術群と比べて優れた有効性が認められず, 驚きをもって迎えられた. この降圧効果については様々な理由が考えられており, 新しい臨床試験が計画されている. 熟考して研究を進め, 治療抵抗高血圧のみならず, 慢性腎臓病や心不全などの病態へ応用できれば, 新しい治療法として福音となるだろう.
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