【特集 透析療法の合併症と治療―血液透析と腹膜透析―(併用療法を含めて)】
透析患者の心血管合併症
Cardiovascular complication of dialysis patient
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.13 No.2 34-38,
2014
著者名
渡邉周平
/
藤井 秀毅
/
河野圭志
/
深川 雅史
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
腎臓
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
/
腎臓内科
/
泌尿器科
媒体
Nephrology Frontier
「SUMMARY」近年, 透析患者の数がますます増加しており, また合併症の多い患者が増えてきているのが現実である. 透析患者における最も重要な合併症は心血管疾患であり, これは重要な死亡原因となっている. そのなかでも重要な合併症が心不全, 虚血性心疾患, 不整脈, 弁膜症などである. 透析患者の心血管疾患の特徴は, 非透析患者とやや異なり, 診断に苦慮することがある. また, 治療に関しても非透析患者で有効であるものが有効でないことがある. したがって, 透析患者の心血管疾患の特徴をよく考え, 診断, 治療を行うことが重要であると考えられる. 「I はじめに」透析患者において心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)は, 頻度が高く, 重篤な転帰をとりうる重要な合併症である. これらの患者では高血圧や糖尿病などの古典的危険因子の合併を認めることが多く, さらに貧血や体液過剰, カルシウム・リン代謝異常などといった透析患者特有の因子もCVD進行に寄与することが知られている(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。